祖父の背中を追いかけて 琴ノ若 元兄弟子の存在

 元兄弟子とは元大関琴奨菊の秀ノ山親方と元関脇琴勇輝の君ヶ濱親方である。琴奨菊はがぶり寄りで、そして琴勇輝は突き押しで活躍した。また琴奨菊は去年、琴勇輝は今年引退したばかりの新米の親方である。

 琴ノ若の父が現佐渡ヶ嶽親方ということで2人共入門前から知っていたと思われるので性格面を理解した上でアドバイスができる利点がある。また父よりも年齢が近いのでアドバイスを受け入れやすいという部分もあると思う。そして引退したばかりなので廻しを締め、ぶつかり稽古の相手くらいはできそうな気がする。

 また親方になったことで相撲に対する見方が変わってきている部分もあるかと思う。現役時代は見えなかったものが見えてきているというのもあるかもしれないので、その点を琴ノ若に上手く伝えられたらそれがベストである。

 ただ琴奨菊が語っていたが、琴勝峰の指導には苦労しているようである。自分の指導は正しかったのか?、もっと違う指導法があったのではないか?。手探り状態のようである。また琴ノ若には立ち合いの指導をしているようだが、琴奨菊は重心が低かったのに対し、琴ノ若は重心が高い。琴ノ若は琴奨菊の言うことを鵜呑みにはせず、参考程度に聞き、自分に合った形を探すのが良いのではないかと私は思っている。

 いずれにしても2人は経験があるのは確かなのでその経験を聞きながら、自分に活かせる部分は活かせていけばいいのではないか。上手く利用すればプラスになることは間違いない。また兄弟子に琴恵光がいるものの、叱り役ではないらしいので、精神的な部分で2人を頼りにするのも悪くはない。

続く