祖父の背中を追いかけて 琴ノ若 十両時代～現在
新十両からはいずれも勝ち越し、所要4場所で十両を突破した。特に新十両の場所は12日目までに5勝7敗と後がなくなった状況から3連勝し、千秋楽で勝ち越しを決めた。番付も西14枚目と十両最下位の番付であり、絶体絶命の状況からよく勝ち越せたと思う。精神力が強くなければできることではない。また追い込まれた状況でも表情には全く出さず、落ち着いて相撲が取れるのが琴ノ若の強みである。2020年3月場所に新入幕を果たし、2014年5月場所の佐田の海に続く、史上9組目、12人目の親子幕内記録となった。
新入幕の場所は9日目まで7勝2敗と勝ち越しまであと一番としたが10日目から4連敗し、足踏みした。しかし14日目は錦木を上手出し投げで破り、祖父・父も果たせなかった新入幕での勝ち越しを決めた。翌2020年7月場所は7日目の魁聖戦で土俵下に落ちた際に左膝を痛め、8日目から休場した。自身初の休場である。その後14日目から再出場するも白星は挙げられず、4勝6敗5休という成績で場所を終えた。翌9月場所は3場所ぶりの十両での土俵となったが9勝6敗で勝ち越し、1場所で幕内復帰を決めた。
その後は負け越した場所もあったが幕内に定着した。そして2021年7月場所は12勝3敗と大勝ちし、初三賞となる敢闘賞を受賞した。9月場所は自己最高位を大幅に更新し、西前頭3枚目の地位となった。初となる上位力士総当たりの番付であり、試金石となる。
続く