2025年3月場所を振り返って 十両優勝の草野に関して 優勝を決めた12日目の狼雅戦

 十両は新十両の草野が14勝1敗のハイレベルの成績で初優勝を果たした。また新十両で14勝は1場所15日制が定着した1949年5月場所以降では1950年9月場所の米川(後の横綱朝潮)、2013年の遠藤に続いて史上3人目となった。

 序盤から快進撃を続けると14日目に新十両の初日からの連勝記録を達成した。そして12日目は狼雅に勝ち、連勝記録を伸ばすと同時に歴代最速に並ぶ12日目での優勝を48年ぶりに果たした。

 13日目は嘉陽に敗れ、15日制定着以降で初の新十両15戦全勝は逃した。それでも千秋楽は同郷の先輩の藤青雲に勝ち、一場所通過での新入幕の望みも出てきた。

 やはり最大のハイライトは12日目の狼雅戦である。3敗で追う3人が全て敗れ、優勝を懸けた一番となった。狼雅も先場所までは幕内であり、簡単に優勝させる訳にはいかない。相撲は短かったが激しい攻防のある一番だった。狼雅の左張り差しに草野の出足が止まった。そして互いに右四つで上手が取れない体勢となった。その後草野が思い切って左を巻き替え、もろ差しとなった。しかし巻き替えると腰が浮く。すかさず狼雅は左おっつけから前に出た。すると草野は土俵際に詰まりながらも左へうっちゃりながらの右下手投げを打った。両者体が落ちるのがほぼ同時であり、物言いの可能性もあった。しかし狼雅の体が裏返っており、物言いは付かず、逆転の投げが決まった。また動きの連続性は元横綱白鵬の宮城野親方からその重要性を日々伝えられており、その教えを生かした。

 狼雅は幕内を7場所務めており、その狼雅に勝ったということで幕内でも通用しそうである。来場所の新入幕は分からないが、近いうちに幕内の土俵で活躍しそうである。これからも今場所のような速くて厳しい相撲内容を期待したい。

終わり