叔父に追いつけ!豊昇龍 相撲の取り口

 豊昇龍の相撲は突き押しも得意だが右四つも得意としているいわゆる万能型の力士である。対戦相手によって取り口を変えている。また相手の懐に入るのが上手く、懐に入れないときは突き押しをするというスタンスである。そして懐に入ってからの技は多彩であり、前に出るだけでなく、投げ技、足技もあり、相手にとっては厄介である。また足技が得意な力士は得てして足技にこだわりがちだが豊昇龍は違う。足技ありきではなく、前に出る相撲を取る中でブレンドするように足技を仕掛けてくる。また足技とはいっても倒しに行くだけでなく、揺さぶったり、連続技の一つだったりと引き出しをたくさん持っている。足技に関しては大関を足技で破ったので対戦相手に恐怖心を植え付けることができた。これは非常に大きい。7月場所9日目の宝富士のように腰が引けて前に出られないといった力士も出てくると思う。今後はおそらく懐に入れさせない相撲を相手は取ってくると思うのでその部分を上手く利用したい。

 取り口に関して一つ気になっているのが下手投げの多さである。7月場所は下手投げで3番勝っており、得意としているが怪我をするリスクもあり、あまり多用してほしくない。特に逸ノ城を下手投げで転がしたのは見事だったが、体重差が70キロあり、肘にかかる負担が大きいのは目に見えている。今後は廻しを与えず、前に出る相撲が求められる。

 しかし全体としては前に出る相撲を取っており、今のままの相撲を取りつつ、稽古をしながら体重を増やせば自ずと結果は後からついてくると思う。これからが非常に楽しみである。

続く