2021年7月場所個別評価 若隆景

 新三役の場所となったが5勝10敗で負け越した。7日目までは3勝4敗だったが8日目からは連敗し、11日目に負け越しが決まった。さすがに三役で勝ち越せるほど甘くはなかったというところか。

 内容に関しては右四つの相撲と押し相撲を取っていたが三役に昇進したということで相手も研究してくる。速攻相撲で簡単には勝たせてくれない。それでも4日目は正代を押し出しで破り、対正代戦は三連勝となった。また2日目の照ノ富士戦は負けはしたものの立ち合いから左前廻しを取り、その後二本差して寄り立てるなど見せ場は作った。その一方で押す力が強い大栄翔、隆の勝には完敗。北勝富士戦、逸ノ城戦、高安戦は攻め込むもあと一歩が出ず、相手の引き技に屈した。今場所に限らず、若隆景は上位陣を倒す実績を作ってきており、少しずつ受けて立つ立場となる。そうなるとあと一歩が出るかどうかという部分で底力勝負となる。あと一歩が出るには体重増が一番だが現在127キロであり、体重がなかなか増えない。現状では増量に活路を見出すのは厳しそうなので稽古で力を付けていくしかない。また軽量力士なので止まらない相撲が理想ではあるが、今後は止まった時にどう攻めるかというのも重要なテーマとなる。

 来場所は平幕に陥落となるが勝ち越しての三役復帰を期待したい。また相手に手の内が分かってきたという点ではここからが勝負だと思うので頑張って欲しい。