角界の鉄人! 玉鷲 来歴 初土俵まで

 2024年9月場所3日目に、通算連続出場で1位だった青葉城の1630回を抜き、1631回連続出場の歴代単独1位に躍り出た。この日の対戦相手は、かつて付け人を務めてくれた輝だった。相撲は立ち合いで頭からぶちかまして当たり勝つと突き起こし、左に回り込む輝を一方的な内容で押し出した。ぶちかまして、押しての内容は全盛期の貴景勝を思い出させるような若々しい相撲だった。また歴史的な偉業達成を自ら白星で祝ったということで館内からは大きな拍手が起こっていた。

 さてそんな玉鷲だが、スポーツ経験がないまま19歳で相撲を始め、30代から力を付けたという、モンゴル人力士の中でも異色の経歴の持ち主である。そして先述の通算連続出場記録だけでなく、幕内で年6場所制以降の最年長の優勝記録も持っている(37歳10か月)。どちらの記録も当分破られないものと思われる。それでは玉鷲を紹介したい。

 玉鷲はモンゴル・ウランバートル市出身で片男波部屋所属であり、年齢は40歳である。また身長189センチ、体重178キロであり、突き・押しを得意としている。

 モンゴルではモンゴル相撲経験もほとんどなく、サッカーとバスケットボールもかじっていた程度のようである。そしてホテルマンを目指して勉強していたが、自分の大きな体と腕力を生かして相撲をやってみたいと思うようになり、東大大学院に留学していた姉を頼って2003年秋に来日した。姉と2人で両国を訪ね、たまたま自転車に乗った力士を見つけてついて行ったところ、井筒部屋に着き、そこで井筒親方(元関脇・逆鉾)からもてなしを受け、当時幕下で給仕をしてい飲み物を持ってきてくれた同郷の鶴竜と出会った。そして鶴竜に入門の相談をし、旭鷲山の連絡先を教えてもらい、それが縁で片男波部屋に入門し、2004年1月場所で初土俵を踏んだ。

続く