2025年1月場所個別評価 玉正鳳
今場所は東前頭16枚目であり、外国出身力士としては最も遅い所要79場所での新入幕となったが6勝9敗で負け越した。白星スタートも翌日からは4連敗し、前半戦は3勝5敗で折り返した。そして後半戦も黒星が増え、12日目に負け越しが決まった。
さて玉正鳳を紹介したい。玉正鳳はモンゴル・ウランバートル市出身で片男波部屋所属であり、年齢は31歳である。また身長189センチ、体重127キロであり、右四つ・寄り・投げを得意としている。2020年6月に来日し、高島部屋に入門するも新弟子検査を前に部屋が消滅した。よって再来日して2011年9月場所、春日山部屋から初土俵を踏んだ。しかしまたも部屋が消滅し、追手風、中川と部屋を転々と移籍し、2020年7月に片男波部屋所属となり、現在に至っている。そして入門前の高島部屋を含めれば5つの部屋を渡り歩いており、春日山部屋での代替わりも合わせて6人の師匠と出会ったという苦労人である。しかし現師匠の片男波親方の指導方針が合ったのだと思う。2023年3月場所で新十両となり、「義兄の玉鷲と土俵入り」の夢叶っての新入幕となった。
内容に関しては突き放しての動き回る相撲が通用しなかった。体が細く吹っ飛んでしまうので、対戦相手の動画を何度も観て、立ち合いだけ決めて寝ていたようである。そして言葉通り迷いはなかったものの、幕内の壁は厚かった。千秋楽の取組後に「十両では思い切り当たらずに見ていったりできたけど、幕内ではそういうのは許されない」というコメントが全てである。
ただ千秋楽は勝って6勝目を挙げており、私的には幕内残留の可能性もあると見ている。このあたりは審判部の判断一つであり、何とも言えない。仮に幕内に残れたら今場所の経験を生かして同じ相撲を取るしかない。十両陥落なら勝ち越せば再入幕が見えてくるので自分の相撲を取って勝ち越しを目指したい。体型的にも出世は厳しそうだが立ち回りは非常に上手く、番付に関わらず自分の相撲を取って欲しい。
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