2025年1月場所個別評価 金峰山
今場所は西前頭14枚目であり、再入幕の場所となったが12勝3敗の好成績で2度目の敢闘賞を受賞した。初日から9連勝し、上位陣が相次いで敗れる中で優勝争いをリードした。10日目からは役力士との対戦となったが阿炎と豊昇龍に敗れた一方、大の里戦と琴櫻戦は圧倒的な内容で撃破した。終盤は3敗力士との対戦だったが霧島戦は逆転の掬い投げで勝ち、単独トップを守ると同時に千秋楽に勝てば優勝という展開に持ち込んだ。しかし千秋楽は王鵬に敗れて決定戦に持ち込まれると優勝決定巴戦では豊昇龍に敗れ、初優勝は成らなかった。
優勝に関しては逃げ切ることが条件だと見ていた。そして14日目に霧島に勝ったことで8割くらいは逃げ切ると思っていた。しかし王鵬に敗れ、決定戦に持ち込まれてしまった。こうなっては先場所までは上位力士を倒した実績もなく、優勝経験もないということで厳しくなる。
ただ王鵬戦の内容は悪くなかった。自分の相撲は取れており、勝った王鵬を褒めたい内容である。また尊富士戦と霧島戦は投げ技による逆転勝ちであり、運を生かすことができなかった。大きな魚を逃した格好だが、頑張った結果であり、仕方がないと言える。
それでも二大関を倒したことは間違いなく収穫である。そして内容的にも上位陣に脅威を与えたのは事実である。自分の相撲に改めて自信を持ったものと思われる。
内容に関しては突き押し相撲で圧倒していたが、四つに組まれても対応できていた。身長195センチ、体重180キロの巨体の上に懐が深く、体も柔らかいので組んだとしても対戦相手は一筋縄ではいかない。特に霧島戦は右下手を切られながらも掬い投げで転がしており、スケールの大きな相撲内容だった。ということで突き押し相撲にとにかく磨きをかけ、四つ相撲は組まれた時だけ対応するという形で良さそうな気がする。また長らく首痛に苦しめられたが「今の治療が合っている」ということで不安がないのもプラス材料である。眠っていた大器の才能開花ということで私としても嬉しい限りである。
来場所は大幅に番付を上げ、前頭5枚目あたりとなりそうである。それでも上位力士と対戦する位置ではなく、今場所同様、前半戦は白星を重ねることになりそうだ。勿論初優勝を目指したいが、それよりも三役昇進の方が先である。二桁勝てば新三役の可能性も出てくるので二桁勝利を目標としたい。そして番付を上げ、力を付ければ自ずと優勝のチャンスが巡って来るはずである。突き押し相撲に専念してからはまだ日が浅いので伸びしろも期待できる。本人も手応えを感じており、気分良く3月場所を迎えられそうだ。
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