2025年1月場所個別評価 玉鷲
今場所は東前頭10枚目だったが9勝6敗という成績だった。5連勝スタートを切り、4日目は尊富士との優勝経験者同士の全勝対決を制した。また7日目は幕内連続出場が1024回となり、長谷川と並んで歴代5位となった。前半戦を6勝2敗で折り返すと後半戦は13日目に阿武剋を押し出しで破り、勝ち越しを決めた。そして千秋楽は勝てば敢闘賞受賞だったが琴勝峰に叩き込みで敗れ、受賞は成らなかった。
場所前の時津風一門の連合稽古では衰えを口にしていたようだが、まだまだ力は健在である。尊富士戦は押し合いから相手の引きに乗じて一気に押し出した。会心の相撲だった。12日目の伯桜鵬戦は幕内最年長と最年少の対決となったが当たってすぐに二本差され、もろ差しを許した。しかし伯桜鵬の寄りを左からの上手投げでこらえると体を入れ替え、上手投げでねじ伏せた。馬力は全く衰えていない。そして阿武剋戦は当たってすぐに左を差され、下手を取られたものの右から小手に振って振りほどいた。その後右からののど輪でのけぞらせ、最後はおなかを突いて押し出した。
また負けはしたものの8日目の金峰山戦も見応えがあった。金峰山のもろ手突きに後退し、土俵を割るかに見えた。しかし右に回り込んで残すと左おっつけで崩し、右のど輪で反撃した。しかし金峰山にのど輪を外されると二本差され、寄り切られた。時間は短かったが激しい攻防があり、内容の濃い一番だった。金峰山は今場所は千秋楽まで優勝争いに絡んでおり、好調ぶりが分かる内容だった。
来場所は番付を上げるが、二桁勝利を期待したい。今場所は伯桜鵬、阿武剋といった若手力士に勝っており、まだまだ活躍できそうだ。そしてもう一つは三賞受賞である。今場所のような相撲が取れればチャンスは何回も巡って来そうである。最年長三賞受賞にも期待したい。
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