2025年1月場所個別評価 一山本

 今場所は西前頭6枚目であり、自己最高位だったが8勝7敗で勝ち越した。前半戦は5勝3敗で折り返した。しかし後半戦は10日目から3連敗し、14日目も黒星ということで7勝7敗で千秋楽を迎えた。また先場所まで4場所連続で千秋楽の給金相撲であり、これで5場所連続となった。相撲は若隆景を叩き込んで勝ち越した。ちなみに5場所中4場所で千秋楽は勝っており、勝負強さを見せている。

 内容に関しては増量したことで突き押しに威力が出てきた。それに伴い、叩く相撲が少なくなった。千秋楽での勝ち越しではあるものの、勝ち越せる内容の相撲は取っており、今後が楽しみである。

 特に良かったのが13日目の若元春戦である。約3年ぶりの対戦となったが突き合いから左へいなすと若元春のバランスが崩れ、左のど輪から体を寄せて押し出した。若元春は負け越しているとはいえ、大関候補相手に力強い内容だった。同級生なので負けたくなかったようだが、気迫あふれる相撲だった。

 来場所は再度の自己最高位更新となりそうだが勝ち越しを期待したい。若元春、大栄翔とは同学年だが上位で揉まれておらず、伸びしろはありそうである。また歯車が合えば初日から白星を並べる可能性もある。来場所勝ち越せば新三役も見えてくる。幕内後半の土俵を盛り上げる存在になるかもしれない。