2025年1月場所個別評価 大の里

 今場所は大関2場所目となったが10勝5敗という成績だった。初日は翔猿に敗れると4日目からは連敗し、序盤は2勝3敗と苦しいスタートとなった。6日目からは巻き返すも11日目は金峰山に敗れて4敗目となり、優勝争いから脱落した。千秋楽は宇良に勝ち、二桁白星で場所を終えた。

 内容に関してはそれなりに自分の相撲が取れていたように見えたが、やはり序盤の取りこぼしが目についた。いずれも対戦相手に対策を練られての黒星だった。また勝ちはしたものの3日目の隆の勝戦も右からの突き落としに転がっており、隆の勝の左足が出ていたので助かったという一番だった。当然ながら対策が求められるが、特に阿炎戦は3連敗であり、相手の術中にはまっている印象がある。また優勝に向けては序盤の取りこぼしは一つでも減らしたいところだ。

 それでもその後は巻き返し、二桁勝利につなげたあたりは流石と言える。並の大関なら序盤で黒星先行なら勝ち越すのが精一杯という結果になるところである。しかしそうはならないのが地力の高さを示している。ただ11日目の金峰山戦は痛恨だった。大学時代は2勝5敗と合い口が悪かったようだが、一方的な内容での黒星だった。もし勝っていれば優勝の可能性もあっただけに残念な一番となった。

 来場所は序盤の取りこぼしを減らし、優勝争いに加わりたい。能力は高いが、師匠の二所ノ関親方から「とにかく稽古不足」と言われているようであり、それが少し気になる。、部屋は国技館から離れており、タニマチとの付き合いも多いということで師匠は部屋を留守にしていることも多いと見られる。また部屋付きの親方もいないということで、自らが率先して稽古をすることが求められる。過去の大関を見ていると大関は安住しやすい地位でもある。ということで本場所で結果を出すだけでなく、稽古場から高い意識を持って取り組むことに期待したい。