2021年5月場所個別評価 琴恵光 

 今場所は東前頭12枚目だったが9勝6敗という成績だった。前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦も連敗はなく、14日目に勝ち越しを決めた。千秋楽は技能賞受賞の若隆景を引き落としで破り、9勝で場所を終えた。

 内容に関しては場所を通して前に出る相撲が取れていた。6日目の玉鷲戦は相手の突き押しをあてがってこらえ、相手の体が起きると押し上げてそのまま押し出した。12日目の遠藤戦は張って右を差し、土俵際で左上手を取られながらも寄り切った。身長177センチ、体重135キロと決して体は大きくないが、今場所は立ち合いでの変化はなく、相手の圧力を受け止めている点は好感が持てる。

 7月場所は自己最高位を更新し、東前頭4枚目となった。初の上位挑戦となる。上位力士も甘く見ていると土俵際の身のこなしは上手い力士なので痛い目に遭うかもしれない。また失うものは何もないので力試しのつもりで思いっきりぶつかっていってほしい。上位力士と本場所でぶつかることで分かる部分もあると思うのでその点に期待したい。そしてできれば上位力士に一泡吹かせてほしいところだ。