2025年1月場所を振り返って 優勝争い 13日目 阿炎ー尊富士戦、大の里ー豊昇龍戦

 尊富士は阿炎戦だった。過去の対戦成績は1勝1敗であり、先場所は阿炎が注文相撲で勝っている。よって先場所の内容を踏まえて尊富士がどういった相撲を取るかが注目された。相撲は阿炎が立ち合いでけたぐりの奇襲を見せたが尊富士は何かあるかもしれないというのは読んでおり、構わず押し出した。物言いが付いたが攻めているのは尊富士であり、軍配通り尊富士の勝ちとなり、3敗を守った。ただ尊富士は豊昇龍戦と霧島戦を残しており、対戦相手としては優勝争いの5人の中で一番厳しい戦いが予想される。

 豊昇龍は大の里戦だった。過去の対戦成績は豊昇龍の4勝2敗であり、大の里の2勝のうちの1勝は不戦勝である。そして今場所の内容を見ても豊昇龍の方が有利と見ていた。相撲は大の里のもろ手突きを豊昇龍が突き放して受け止めた。その後大の里が右を差すと同時に豊昇龍は右からの首投げで大の里を転がした。確かに首投げ自体は褒められたものではない。しかし迷いがなかった上に思い切りの良さが豊昇龍の持ち味である。また大の里のもろ手を正面から受けた内容は素晴らしかった。以前なら一気に運ばれてもおかしくなく、立ち合いの踏み込みは明らかに鋭くなっている。これで豊昇龍も3敗を守り、3敗力士4人全員が優勝争いに踏み止まった。

続く