元大関の肩書を嫌う男! 正代 ネガティブと言われる性格

 個人的には性格面は語りたくないところである。しかし「ネガティブ」というイメージが定着しており、この力士に関しては語らざるを得ない。驚いたのが新十両昇進時の会見である。その中で十両で対戦したい相手を聞かれて「誰とも当たりたくないです」と答えた。他にも悲観的な発言があり、話題となった。しかしこういった力士は大抵は才能を持っているものである。その後才能が開花し、大関に昇進した訳だが性格面で適応できず、大関という立場に苦しんだ。大関という地位は結果以外でも土俵内外での立ち居振る舞いなど、さまざまなものが求められる立場である。よって大関になってからは「勝っても負けても表情に出すな」と周りからよく言われたという。そして看板力士として過ごしてきた2年間は自分らしさと、周囲が求める理想像との間のギャップに苦悩した。「人間は変わろうと思っても、早々に変われないですからね」

 2024年1月場所は7日目に照ノ富士を破り、6年半ぶり2個目の金星を獲得したが、「僕の中では元大関は忘れたいくらい」とネガティブ発言を炸裂させていた。やはり地位に関係なく、伸び伸びと相撲が取りたい性格のようである。

 また大関時代はそれでも時に弱音を吐いていた記憶があるが、ついポロっと愚痴をこぼしてしまうのが、今時のファンに受けているという部分もありそうだ。そういった点を含めてファンに愛されているように見える。

続く