元大関の肩書を嫌う男! 正代 私が観た印象

 どうしても比較したくなるのが現・幕内の遠藤である。遠藤の方が1学年上であり、3年次は遠藤に敗れてアマチュア横綱のタイトルを獲得できなかった。そして遠藤はアマチュア横綱となったことで幕下10枚目格付出の資格を獲得し、鳴り物入りで入門した。一方の正代は2年次に学生横綱となったもののその後は主要タイトルは獲れず、前相撲からのスタートとなった。スポットライトを浴びていたのは勿論遠藤である。ただ正代もタイトル獲得の実績がある。

 私は学生相撲はあまり観ないのでどんな相撲を取るかは分からなかったが、その存在に注目していた。マスコミからは遠藤と同格の実力者という扱いを受けていた。そしてその評判通り、負け越し知らずで新十両となった。そして新十両の場所は11勝4敗の大勝ちをした。この時点で強い力士になることを確信した。

 遠藤との比較で見ても遠藤は頭を付ける相撲が多い一方、正代は中腰からの当たりが強い上に体が柔らかい。また頭を付ける取り口ではないので相撲のスケールが大きい。その上遠藤よりも手足が長く、流石は学生時代にタイトルを獲っただけのことはあると思った次第である。体格面は上位力士の中に入っても見劣りしておらず、楽しみな存在になると見ていた。

続く