2021年5月場所を振り返って 優勝争い、三賞など

 負けたとはいえ貴景勝も優勝同点である。また一つでも星を落とせば照ノ富士があっさり優勝を決めるところだったがそれを許さなかった。そして本割で勝ち、決定戦に持ち込んだ。終盤の盛り上がりも貴景勝の活躍があってこそである。また来場所優勝すれば横綱昇進の可能性が広がる。綱取りは照ノ富士に一歩先に行かれたが、諦めずに後に続いてほしいところだ。

 さて三賞は東前頭筆頭という厳しい地位で2大関を破り、9勝を挙げた若隆景が2度目の技能賞を、そして終盤に貴景勝と照ノ富士を破り、11勝を挙げた遠藤が4度目の技能賞を受賞した。また殊勲賞、敢闘賞は該当者がなく、受賞者が技能賞しかいないのは、妙義龍が獲得した平成25年夏場所以来、8年ぶりとなる珍しさだった。十両は西2枚目の宇良が12勝3敗という成績で初優勝を果たした。来場所は約4年ぶりとなる幕内復帰となる。体重も143キロに増え、押されにくくなった。足取りなどの技も健在であり、活躍が期待できそうだ。

終わり