今年の大関候補2025 霧島

・去年1年に関して

 一昨年の11月場所は2度目の優勝を果たし、1月場所は綱取り場所となった。この場所は13日目までは2敗で踏ん張っていたものの終盤は連敗して11勝4敗で終わり、綱取りは成らなかった。次の3月場所は場所前に首を痛めたこともあり、5勝10敗という成績に終わった。5月場所は2度目のカド番となったが引き続き首の状態が思わしくなく、6日目まで1勝5敗の不振だった。結局7日目から休場し、師匠の音羽山親方が再出場しないと表明したので7月場所での関脇陥落が決定した。

 7月場所は二桁勝てば大関特例復帰が果たせたが13日目に6敗目を喫し、大関復帰は失敗に終わった。9月場所は12勝3敗の好成績であり、次の11月場所は13勝が大関復帰への条件とされた。しかしこの場所は6勝9敗に終わり、大関復帰どころか平幕陥落止む無しという成績で1年を終えた。

・課題

 師匠はテレビ解説で本人に「廻しを取らないと勝てないよ」と助言していることを明かしていた。大関昇進時は押し相撲の強化と横への動きで克服したが、改めて課題を突き付けられた格好である。確かに1場所だけなら去年の9月場所のように横への動きで大勝ちできるかもしれない。しかし大関復帰に向けてはまとまった星を揃える必要があり、当然ながら相撲の安定感が求められる。本人は「(大関に)戻りたい気持ちは変わらない」と語っていたようだ。意気込みは悪くないとして、廻しを取るためにはどのような相撲を取ればいいのか?。大関復帰に向けては極めて重い課題である。元大関という実績がある以上、自分なりに考え、自分で答えを見つけていくしかない。

・今後に向けて

 三役復帰と三役定着に関しては実力的に問題ないと見ている。しかし気になるのが綱取りが一転して、あっという間に大関から陥落したという事実である。理由があるにしても、精神面を問われても仕方がないところである。あっさりと大関の座を手放した力士が大関に復帰できるのか?。強い精神力が伴っていれば大関の地位を守れたのではないか?。私的には数々の疑問が残る。

 ということで、不祥事を起こしたわけではないものの、不祥事を起こした力士が気持ちを入れ替えるくらいの切り替えができるかだと考えている。能力は認めるものの、大関復帰に向けては厳しい道のりになりそうだ。また今年1年が勝負であり、今年上がれなければ来年以降も上がれないと見ている。私の見立てを大きく裏切る位の相撲内容を見せて欲しい。それができれば大関復帰が叶うはずである。