角界のスプリンター! 尊富士 大尊時代はやって来るのか?
一部でいわれているが、大の里と尊富士が何度も賜杯を争うということである。それだけ2人に対する期待の高さの表れと言える。
特筆すべきは、大の里の新十両から大関になるまでの関取としての勝率である。7場所(十両2、幕内5)で.762(80勝25敗)であり、大鵬の10場所(十両4、幕内6)で.733(110勝40敗)を大きく上回っている。新入幕からの5場所目までの56勝も、大鵬の53勝より多い。
一方尊富士は通算勝率は初土俵から.875(84勝12敗)であり、大鵬や白鵬などの大横綱の勝率を軒並み上回っている。関取になって以降も.872(41勝6敗)であり、皆勤した3場所(幕内1、十両2)を全て13勝2敗で優勝しているのは、やはりずば抜けた成績である。
大の里は24歳、尊富士は25歳ということで学年は一つ違いである。初優勝では尊富士に先を越された大の里は悔しさをエネルギーに変えて次の5月場所で初優勝を果たした。また大学時代は大の里はアマチュア横綱、学生横綱などタイトルをいくつも獲得したが、尊富士は怪我に見舞われたため、大の里のような活躍はできなかった。よって何が何でも大の里には負けたくないという気持ちは持っているはずである。そして9月場所では二大関がいずれも8勝7敗に終わっており、頼りない部分があるので2人に期待しているというのもあるかもしれない。
ただ上位力士のマークをかいくぐって大関に昇進した大の里と、怪我で十両に番付を下げた尊富士を同列に扱うのは私的にはちょっと違うと思う。まずは尊富士が大の里と肩を並べるところまで行けるかが問題である。9月場所は十両優勝を果たしたが、幕内になれば力士の体が大きくなる上に動きも速くなる。3月場所は14日目に右足首を痛めたが、私は突発的なものではなく、それまでの疲労の蓄積が怪我の原因だと思っている。確かに優勝したので力は通用しているのだが、怪我をしたという点では今後に向けて不安が残ったのは否めない。
これからどうなるかは分からないが、大の里が横綱で、そして尊富士が三役もしくは平幕の立場でなら何度も優勝争いをするということは十分考えられる。おそらく大の里は横綱になると思うので尊富士がどうなるかである。目先のところでは幕内に上がったところで番付を上げるのか、それとも3月場所後のように休場するのか、見極めたいところである。
続く
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