なぜ御嶽海は大関に上がれないのか? 続編 その4

 5月場所に関しては本人が何度も言っているが、2桁勝利を挙げ、大関昇進に向けての起点を作りたい。また3月場所中に鶴竜が引退したので大関に上がれるのはあと一人である。そして枠が埋まれば今度は大関の座から誰かを引きずり降ろす必要が出てくる。ただ3月場所後に大関に復帰した照ノ富士を含め、四大関が関脇に陥落する可能性は低いと私は見ている。5月場所は正代がカド番となるが、体の動き自体は悪くなく、巻き返してくると思う。また四大関はいずれも20代と年齢も若く、現時点では関脇に転落することは考えにくい。そうなるとあとは大関候補の4人のうち誰が大関に上がるかというところになってくる。勿論4人共上がれず、他の力士が台頭する可能性も十分ある。

 話を御嶽海に戻すと3月場所は3日目は隆の勝に押し出しで敗れたが、小細工なしの押し合いで押し負け、土俵を割ったのは正直言って物足りない。少なくとも現時点では押す圧力に関しては隆の勝の方が上回っているということである。まずは対大関戦ではなく、同じく大関候補のライバルに勝ってほしいというのが私の願いである。残念ながら土俵を観た限りではライバルに対する意識はあまり感じられない。このままだと大関を倒すのが生き甲斐の大関候補のまま終わってしまう可能性も十分ある。優勝2回の実績はあるが、大関は過去の実績だけで昇進できる地位ではない。周囲も御嶽海の立ち位置が分かってきており、厳しい目で見られることが少なくなってきている。ということであとは本人が現状に危機感を持って相撲に取り組んでいくしかない。現在28歳だが普通に考えれば今年、来年までに大関に昇進できなければ大関昇進は厳しくなる。大関復帰を果たした照ノ富士のように目標を立て、一日一日に全力を尽くしてくれれば良いのだが・・・。果たしてファンの願いは本人の耳に届いているのか?。多くのファンがもどかしい思いをしているのを忘れないで頂きたい。

終わり