2024年9月場所個別評価 時疾風
今場所は東十両2枚目だったが9勝6敗という成績だった。6日目までは2勝4敗と黒星が先行していた。しかし7日目から7連勝し、12日目に勝ち越しを決めた。終盤は連敗したものの、来場所の3場所ぶりの入幕は確実となった。
内容に関しては左四つの相撲と投げ技で白星を挙げていた。4日目の志摩ノ海戦は当たって左を深く差すと相手の左下手を切り、右はおっつけながら一気に前に出て寄り切った。こういう厳しい相撲を取ると後の対戦相手は当然左差しを警戒してくる。8日目の英乃海戦はけんか四つとなったが差し手争いの攻防の後、英乃海に右四つ左上手の十分な形を作られた。そして英乃海が寄って前に出たところを土俵際で左へ体を開き、左からの下手投げで英乃海を転がした。翌9日目の大奄美戦は一旦は左を差したものの振りほどかれ、土俵際まで押し込まれた。しかし左へ回り込むと体を入れ替え、粘られたものの最後は押し出した。自分の形になれなくても対応力で白星に結び付けており、力を付けてきている証拠である。また身長179センチ、体重138キロと小柄であり、今後もこういった動きに活路を見出すことが不可欠となる。
11月場所は再入幕となるが幕内初勝ち越しといきたい。力量的には幕内で勝ち越せるだけの力は持っている。また今場所7連勝したように流れに乗れればという部分もあると思うので頑張って欲しい。
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