2021年1月場所個別評価 琴ノ若

 今場所は再入幕だったが10勝5敗の好成績だった。また幕内では初となる2桁勝利となった。前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦も白星を伸ばし、12日目に勝ち越しを決めた。14日目は豊山を押し倒しで破り、白星を2桁に乗せた。千秋楽は勝てば敢闘賞だったが遠藤に寄り切られ、三賞受賞は成らなかった。

 内容に関しては右四つに組み止める相撲が多かった。また得意の四つではなくても右上手を取り、体格を活かしての前に出る相撲で白星を挙げていた。9日目の妙義龍戦は2本差され、苦しい体勢となったが左からの突き落としで相手のバランスを崩し、土俵の外に出した。12日目の霧馬山戦は立ち合いからすぐに得意の右四つに組み止め、相手が巻き替えに来たところを一気に寄り切った。14日目の豊山戦は突き合いの攻防から両者の足が止まり、再び突き合いとなったが、豊山が琴ノ若の右手を手繰るも琴ノ若はそのまま右手を突き付け、押し倒した。千秋楽の遠藤戦は立ち合いで右を深く差され、懐に入られてしまった。三役経験者であり、現時点では勝てる相手ではなかった。これは仕方がない。全体を通して見ても父の元関脇琴ノ若より相撲が速く、勝負処が分かっている。また体も柔らかく、将来が非常に楽しみである。

 3月場所の番付は東前頭8枚目となり、自己最高位となった。相手は強くなるが同部屋の琴勝峰と能力的な差はない。まずは勝ち越し、2桁勝利を目指したい。個人的に気になるのが体重である。現在173キロだが、これ以上体重が増えると怪我する確率が高くなるので今の体重をキープしてほしいところだ。あとは同じく若手期待のホープの琴勝峰と三番稽古をし、切磋琢磨して番付を上げていってほしい。