2024年9月場所を振り返って 優勝争い 13日目 大栄翔-高安戦、霧島ー豊昇龍戦

 錦木の直後に2敗の高安が登場した。対戦相手は大栄翔であり、2日続けて小結との取組となった。大の里とは星一つ差であり、悲願の初優勝に向けて負けられない一番となった。相撲は当たってから大栄翔を突き起こすも下からあてがわれると押し返され、たまらず引いたところを一気に押し出された。また後で気づいたが、対戦成績はこれで11勝11敗の五分となり、直近はこれで高安の6連敗となった。内容も完敗であり、大栄翔戦の連敗は馬力の低下が原因と言えそうだ。前日の平戸海戦は相手が軽量力士だったので押し込めたが、大栄翔には通用しなかった。これで3敗となり、優勝争いから後退した。結果は残念だがこれが現在の実力と言ってもいいかもしれない。

 もう一人の2敗の霧島は豊昇龍戦が組まれた。負けられない一番ではあるものの、豊昇龍もここまで6勝6敗であり、勝ち越しに向けては負けられない。対戦成績も霧島の9勝8敗とほぼ五分であり、興味深い一番となった。相撲は当たって霧島が押し込むも豊昇龍は右へ回り込みながら霧島の左を手繰ると左四つに組み止めた。その後右からの切り返しで霧島を豪快に仕留めた。これで霧島も3敗となり、優勝争いから後退した。

 内容に関しては豊昇龍を土俵際まで押し込めなかったことが全てである。また今場所の霧島は全体として横への動きは鋭くなり、対応力が戻ってきた。一方この日の相撲のように前に出る圧力はまだ戻っておらず、勝ち負け以前にもっと相手を押し込めるようになりたい。それが大関復帰に向けてポイントとなりそうだ。一方の豊昇龍も大の里戦を残しており、勝ち越しに向けて必死である。これで2敗の2人はいずれも3敗となり、結びで相撲を取る大の里にとって追い風となったのは言うまでもない。

続く