2021年1月場所個別評価 御嶽海

 今場所は9勝6敗という成績だった。前半戦は3大関を破るもそれ以外は全敗という珍しい星勘定となり、3勝5敗で折り返した。そして後半戦は平幕力士との対戦が続いたので連勝し、13日目に勝ち越しを決めた。しかし14日目は遠藤に敗れて6敗となり、2桁勝利とはいかなかった。

 内容に関しては正攻法の押し相撲で白星を挙げていた。一方引いて勝ったのは10日目の阿武咲戦のみだった。引き技に頼らなかった点は好感が持てる。また3大関を破ったが小結とはいえ、2回幕内優勝している力士なので驚きはない。誰もが思っていることだが、大関に上がってもらわなければ困る力士である。

 負けた相撲に関しては全体的に見れば押す力がまだ足りないといった感じである。2日目の宝富士戦、5日目の隆の勝戦はあと一押しがあれば勝てた一番だった。1日の勝ち負けとしてではなく、15日間を通しての押し相撲のレベルアップが求められる。

 場所後も精力的に稽古をしているようである。また個人的に気になっていたのが体重である。一時期は180キロ近くまで増えていたようだが、現在は170キロを切ったみたいだ。見た感じも体重が増えていた頃は圧力も増していたのかもしれないが、体にキレがなくなっていた感がある。今は体重を減らす一方、スピードを活かす方向に変えているみたいだ。私もこのほうが御嶽海の持ち味が生きるような気がする。

 3月場所に関してはやはり2桁勝利を挙げ、大関昇進への起点を作りたい。そして番付は上がらないので1月場所同様、前半戦は上位力士との対戦が続く。前半戦でどれだけ勝てるかが大きなポイントとなりそうだ。そして番付的にはやはり関脇に上がりたい。関脇に上がれば序盤から上位力士と対戦する必要がなくなるからである。ゆとりを持って相撲が取れるという意味でも2桁勝利を挙げ、関脇に復帰したい。そして今年中の大関昇進を期待したいところだ。