逃げない相撲を取る男! 大栄翔 三役定着と大関獲り

 2022年7月場所は新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性があるため、13日目から休場した。しかし13日目終了時点で6勝7敗であり、負け越していなかったため9月場所は関脇に残留した。その後は三役の地位で二場所連続で負け越し、平幕に陥落した。翌2023年1月場所は西前頭筆頭で10勝を挙げ、次の3月場所は小結に復帰した。

 そしてこの3月場所は優勝のチャンスがあった。9日目に勝ち越しを決め、全勝の翠富士を追走すると13日目終了時点で単独トップに立った。そして千秋楽は3敗で星一つ差で追う霧馬山、現在の霧島との対戦となった。本割で勝てば優勝だったが本割・決定戦ともに突き落としで敗れ、逆転優勝を許した。両者は場所前に何度も稽古をしており、霧馬山は大栄翔に常に押し込まれていたようである。よって霧馬山は土俵際の変化に賭けるしかなかった。ということで見映えはしないものの、本人は覚悟を決めて突き落としを繰り出しており、霧馬山を責めるわけにはいかない。しかし大栄翔にとっては目の前にぶら下がっていた優勝であり、優勝を掴めなかったのは痛かったと言わざるを得ない。また本割で負け、12勝で終わったのも後の大関獲りに影響したことも否定できない。次の5月場所はハイレベルな成績を残せば大関昇進も期待できる場所だったが10勝5敗に終わった。それでも二桁勝利ということで7月場所に大関獲りの可能性をつなぐことには成功した。

 そして7月場所は大関獲りに向けて最大のチャンスの場所となったが9勝6敗という成績に終わり、大関獲りは成らなかった。この場所に関しては後で触れようと思う。翌9月場所は10勝5敗と二桁勝利を挙げた。その後も連続して9勝を挙げ、関脇の地位を保った。しかし2024年3月場所は6勝9敗に終わり、翌5月場所は8場所ぶりの平幕となった。そして5月場所は11勝4敗の好成績を挙げ、7月場所は小結に復帰した。その7月場所は8勝7敗で勝ち越し、9月場所は7月場所同様東小結で迎えている。

続く