大関候補は誰だ? 2024年9月場所時点 王鵬

 熱海富士と違って平幕上位での勝ち越しがなく、期待料込みでの大関候補である。新入幕から3年近くが経つが、入幕後は揉まれながら徐々に番付を上げてきた。そして今年3月場所は自己最高位の東前頭3枚目となったが照ノ富士から初金星を挙げる活躍を見せた。そして翌5月場所も霧島、豊昇龍の二大関を倒した。いずれの場所も負け越したものの見せ場は作っており、楽しみな力士である。そして9月場所は自己最高位の西前頭2枚目で迎えている。

 内容に関しては突き・押しの相撲に加えて四つに組み止める相撲も増えてきており、相撲の幅が広がってきている。また身長190センチ、体重191キロと体格に恵まれている上に体が柔らかい。肩幅も広く、このあたりはさすが大鵬の孫と言われるだけのものを持っている。

 また上位力士に勝てるようになってきた一方、場所を通しての相撲の安定感には欠けており、この部分が今後の課題である。結果を出すことと同時に場所を通してコンスタントに相撲を取ることを私としては求めたい。同じく突き押し相撲でいえば大栄翔は15日間自分の相撲が取れており、最低でも勝ち越せるような内容である。

 そして西前頭2枚目ということで初めての上位総当たりの位置となった。自己最高位ではあるものの役力士を倒した実績はあり、試金石の場所となりそうだ。まずは平幕上位で初の勝ち越しを目指したい。それと同時に役力士相手に何人勝てるか?。横綱の休場は残念だがそれでも8人おり、1人でも多く倒したい。場所前の夏巡業では申し合いでなかなか指名してもらえず、悔しい思いをしたみたいだ。厳しい言い方をすれば他の力士にとってはそれ位の存在なのかもしれない。しかし強い内容で役力士を倒し、存在感を見せれば場所後の秋巡業では多く指名されるはずである。実際に夏巡業で平戸海はいつも以上に指名され、喜んでいたみたいだ。よって9月場所は勝ち越しに止まらず、7月場所の平戸海のような活躍を期待したい。

続く