大関候補は誰だ? 2024年9月場所時点 平戸海
7月場所は新三役の場所となったが二桁勝利の活躍で初三賞となる技能賞を受賞した。新三役での勝ち越し自体が高いハードルであり、勝ち越しに止まらず10勝を挙げたというのは力を付けてきている証である。
相撲内容に関しては前廻しを取る相撲だけでなく、一気に前に出て勝負を付ける相撲が増えたことがプラスである。それに加えてスピードが速くなった印象がある。今のスピードなら前に出るだけでなく、横に動く相撲でも対応できそうだ。相撲の取り口の幅が広がり、大関昇進に向けて好材料である。
その一方で上位力士との対戦経験がまだ浅いのも事実である。そして7月場所まではマークされずに自由に相撲を取らせてもらえる立場だった。その7月場所で二桁勝利と三賞受賞ということで今後はマークされる立場となりそうだ。また三役での二桁勝利は大関昇進への起点となるのだが、繰り返しになるが上位力士との対戦が少ない。そして体は大きくなく、大の里ほどのスケール感はない。よって大関への足固めというよりも、本人が言うようにまずは勝ち越して三役に定着するというのが現実的である。自分の相撲に磨きをかけ、上位力士に揉まれながら地力を強化したい。ただ一気に力を付け、大関昇進という可能性もあり、場所が始まってみないと分からない部分もある。
いずれにしても7月場所で大関昇進の可能性を示したのは確かである。年齢は24歳と若く、中卒叩き上げというのも魅力である。仮に9月場所で負け越して平幕に陥落したとしても私としては大関候補としての評価は揺るがない。一年くらい時間がかかっても構わないので着実に力を付けながら上を目指したい。今後が非常に楽しみである。
続く
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