朝乃山について その7
さて1月場所は平幕の大栄翔が13勝2敗という成績で初優勝を果たした。所属する追手風部屋には関取が6人いる上にあらゆるタイプの力士がおり、合同稽古に参加しなくても稽古ができる環境にある。また関取の数が多い伊勢ヶ浜部屋、佐渡ヶ嶽部屋、木瀬部屋、クラスターが発生したが九重部屋なども同様である。
しかし朝乃山にとっては今は厳しい時である。戦国時代でいえば、戦はせずに引き上げたほうが良い状況である。おそらくだが今後も序盤戦は苦戦することが多くなると思う。今は大関としての役割を果たしつつ、新型コロナが収束し、出稽古ができるような環境に戻るのを待つしかない。
ただこの状況を悲観することはない。なぜなら年齢が26歳と若いからである。大学相撲出身ではあるが主要なタイトルは獲っておらず、大関ではあるがまだ成長の余地は十分残っている。以前の稀勢の里も横綱に昇進したのは30歳であり、焦る必要はない。ただ大関は安住しやすい地位でもあるので常に上を目指すという気持ちだけは持っていてほしいところだ。
横綱に上がれるかどうかは別にして、この時期に何をしたかで今後が決まってくる。それは朝乃山だけでなく、私たちも同じである。最後に朝乃山に2つの言葉を贈りたい。
「急がば回れ」
「三年先の稽古」
新型コロナの収束を願うと同時に朝乃山の横綱昇進をじっくりと待ちたい。
終わり
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