2024年7月場所を振り返って 優勝争い 13日目 照ノ富士-貴景勝戦

 そして照ノ富士が土俵に上がった。13日目の優勝はなくなったが、星二つ差であり、今日勝てば明日勝って優勝である。大事な一番であることに変わりはない。対戦相手は貴景勝である。昨日は大の里に敗れて7敗となり、3日残してカド番脱出に向けて後がない状況に追い込まれた。

 相撲は貴景勝のぶちかましを照ノ富士が受け止めると照ノ富士が右を差しながら前に出た。しかし貴景勝が下がりながら振りほどくと押し返し、左からいなしたが横綱の下半身は全く崩れない。その後貴景勝が再度ぶちかまそうとした次の瞬間、照ノ富士は左に体を開いて叩き込んだ。

 勝った照ノ富士は立ち合いの当たりが低くて鋭く、全く危なげのない内容だった。貴景勝の攻めを真っ向から受け止めており、まさに横綱相撲だった。一方貴景勝は負け越しとなり、大関から陥落することが決まった。相撲内容自体は悪くなかった。しかし結果が出ていないだけでなく、3場所連続で休場しており、スタミナ自体が落ちている。得意としている場所前の調整力でカバーできるレベルではなく、これはもう仕方がない。周りに言われずとも、本人が一番分かっているはずである。今後に向けては私は厳しいと見ているが、あとは本人の気力次第である。後悔するのが一番良くないので気力が続く限りは頑張って欲しい。

 13日目終了時点で1敗は照ノ富士、そして3敗は隆の勝と美ノ海の2人となった。また14日目は照ノ富士と隆の勝の直接対決となり、照ノ富士が勝てば10回目の優勝が決まる。一方隆の勝が勝てば優勝は千秋楽へ持ち越しとなる。美ノ海は大の里戦が組まれた。美ノ海が大の里に勝ち、横綱が負けた場合のみ優勝争いに残れる。照ノ富士が優勝する流れではあるものの、優勝が1日先延ばしになったという意味では少しだけ面白くなった。

続く