2024年7月場所を振り返って 場所前 照ノ富士と大の里に関して

 2024年7月場所は横綱照ノ富士が隆の勝との優勝決定戦を制し、3場所ぶり10回目の優勝を果たした。優勝回数10回は公言してきた目標である。終盤は苦しんだものの、ファンとの約束を見事に果たした。また優勝10回は史上15人目であり、達成者は名横綱ばかりである。そして達成したことで引退後も強い横綱として語り継がれることになりそうだ。それでは場所を振り返っていきたい。

 場所前に関しては個人的には横綱が出場を決断したことに驚いた。情報の限りでは稽古はできているものの、調子が良さそうなニュースは入ってこなかった。ただ5月場所前は脇腹を痛めていたが、今場所前はどこかを痛めているといったことは聞かれなかった。また5月場所後の横綱審議委員会では出場勧告といったことは言われておらず、それに加えて5月場所後は巡業がない。マイペースで調整できる一方、他の部屋の力士と肌を合わせる機会がなくなる。よって今場所は休場し、場所後の夏巡業から参加して少しずつ調子を上げていき、9月場所に備えても全くおかしくない。先場所は出場したものの2日目から休場しており、続けて出場するということで私は横綱の強い意志を感じた。そして覚悟を持って土俵に上がっており、本人としては進退を懸けてという思いがあったかもしれない。

 あとはやはり新関脇の大の里である。入幕4場所目ながら先場所は初優勝を果たしており、今場所も優勝すれば大関昇進の可能性がある。また先場所は相撲内容では圧倒しており、一気に大関に上がっても全く驚けない。よって今場所の主役は間違いなく大の里だった。そして対戦相手が大の里に対してどういう相撲を取るかも見物だった。

続く