頑張れ芝(紫雷)!のその後 幕下上位の厳しさ 幕下上位の力士のタイプ

 また幕下上位にはいろいろなタイプの力士がひしめいている。タイプは5つある。

 一つ目は元関取である。7月場所でいえば元幕内の天空海や北磻磨、千代丸などが当てはまる。今挙げた三人のように30代のベテラン力士もおり、引退が懸かっている立場の力士もいる。勿論若手力士もいるが、経験値の高さで勝負している。

 二つ目は学生相撲出身力士である。7月場所でいえば深井がそうであり、幕下時代の紫雷もこれに当てはまる。技を持っている力士が多い一方、体だけでなく相撲の取り口も完成されている力士が多いのも特徴である。

 三つ目は高卒の若手力士である。7月場所でいえば木竜皇、若碇、琴手計などが該当する。やはり若手らしく若さと勢いで勝負している印象である。また最近は高卒からの入門がスタンダードになってきている。

 四つ目は中卒の若手力士である。7月場所でいえば大辻や吉井が当てはまり、期待のホープである。時代の流れもあり、中卒力士は以前に比べて減ってきている。しかし幕内には今場所新三役だった平戸海や高安、湘南乃海、錦木などがおり、根強く残っているのも事実である。よって今後も中卒力士の活躍が見られそうだ。

 そして五つ目は外国出身力士である。7月場所でいえば大青山、朝白龍、琴拳龍が該当する。現在は外国出身力士は部屋に一人までと決められており、入ってくる人数には限りがある。よって選りすぐりの身体能力の高い力士が多い。また外国人枠が厳しすぎるという声が一部である。しかし大相撲は郷土を盛り上げるという側面も持っている。今年3月場所は尊富士が110年ぶりとなる新入幕優勝を果たした。そして5月1日に五所川原市に凱旋し、優勝パレードを行った。パレードは尊富士が生まれた金木町で一度目、五所川原市中心部で二度目が行われた。また二度のパレードで合計5万5千人が訪れ、祝福を受けた。よって外国人枠を広げると日本出身力士の活躍の場が奪われる可能性がある。ということで外国人枠の拡大は今後もないと見ている。

続く