2020年7月場所個別評価 隠岐の海
西小結 隠岐の海 9勝6敗
7月場所は4年ぶりの三役となったが9勝6敗で勝ち越した。三役7場所目、そして35歳という年齢で初めて三役で勝ち越した。まずはそのことを褒めたい。稽古嫌いなどいろいろ言われてきたが努力していなければこの年齢で三役で勝ち越せる訳がない。また若手力士が台頭してきている中でよく頑張っていると思う。
西小結ということで初日から上位戦が続いた。そして役力士との対戦は9日目で終了し、4勝5敗で乗り切った。3日目は貴景勝の当たりを受け止め、相手が手繰りに来たところを体を寄せ、豪快に押し倒した。10日目からは連勝し、13日目に勝ち越しを決めた。千秋楽の玉鷲戦は攻防のあるいい相撲だったが最後は上手投げで敗れ、惜しくも2桁勝利は成らなかった。
内容に関しては左四つの力強い相撲が光った。負けはしたものの初日の横綱白鵬戦は左を差し勝ち、右上手も取って寄り立てた。そして9日目の大関朝乃山戦は立ち合いで左上手を取られるも右を差し、左はおっつけながら一気に前に出た。軍配は隠岐の海に上がるも両者同体で取り直しとなった。取り直しの一番は上手投げで敗れたものの、新大関相手に堂々と渡り合った点は評価したい。また後半戦の連勝では突き落としで3番勝ったが苦し紛れではなく、叩きつけるような突き落としであり、非常に力強かった。優勝争いの陰に隠れてしまったが他の関脇、小結と違って鶴竜を除く横綱、大関とは対戦している上に不戦勝もない。その部分では11勝を挙げた関脇、小結の3人と同等の評価をしてもいいと思う。また内容を見た限りではベテランの域に入っているが今が全盛期ではないかと思えるくらいである。勿論その実力は誰もが認めるところではあるのだが。
9月場所に関しては再度の勝ち越しを目指したい。また隠岐の海は今までは平幕上位以上に定着しかけては番付を下げるといったことを繰り返してきている。プラスに考えれば今まで定着できなかったので体力的な消耗はあまりしていないものと思われる。また今年は1月場所、3月場所ともに勝ち越しており、好調であることは間違いない。今の状況を考えれば優勝も十分狙えると思う。今まで以上に貪欲な気持ちで土俵に上がって欲しい。活躍に期待したい。
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