嫌らしい相撲を取る男! 翔猿 兄・英乃海に関して 兄弟仲と引退危機

 また常に連絡は取らないものの、翔猿との仲は悪くなさそうである。そして番付で弟に追い越されてもあまり気にしていないようである。確かに相撲を観ても翔猿の相撲には執念を感じるが英乃海の相撲にはそれは感じない。良くも悪くも淡々と相撲を取っているイメージである。

 そんな英乃海にも引退危機があった。2023年7月場所は西十両12枚目で5勝10敗で負け越し、幕下相手に4番負けたということで師匠に引退を申し出た。しかし師匠の木瀬親方に「俺を信じて、もう一場所やってみろ」と言われた。そして次の場所では幕下で5勝を挙げ、一場所で十両に復帰した。本人は続けて良かったと語っていたようだがこれは師匠のファインプレーである。なぜなら負けた幕下力士の相手が先場所優勝した大の里と、十両で活躍している朝紅龍と白熊だからである。いずれも伸び盛りの有望な若手力士であり、師匠としては負けても気にする必要はないと思ったのではないだろうか。師匠の冷静な判断が引退を引き止めさせた。

 35歳とベテランの域に入ってきているが木瀬部屋の力士は全体として30代後半まで長持ちする力士が多い。その流れでいけばまだまだ相撲が取れそうである。もうひと頑張りを期待すると同時に幕内復帰を目標としたい。

続く