嫌らしい相撲を取る男! 翔猿 兄・英乃海に関して  私が観た印象と相撲の取り口

 英乃海は翔猿の三つ上である。木瀬部屋所属であり、年齢は35歳である。身長186センチ、体重162キロであり、右四つ・寄り・押しを得意としている。顔は弟とはほとんど似ておらず、兄弟と言われなければ分からないレベルである。日大から入門したがタイトルは獲得できず、前相撲から初土俵を踏んだ。2024年7月場所現在で幕内を12場所、十両を45場所務めているように十両での土俵が長くなっている。

 私が観た印象は翔猿よりも体が一回り以上大きく、しかも上体が柔らかい。翔猿には失礼だが、英乃海を番付で追い越すことはないと見ていた。しかし一気に追い抜いたのは驚きしかない。これは英乃海が、というよりも翔猿がとてつもない努力をしており、翔猿の頑張りを褒めたいところだ。

 相撲の取り口は右四つが得意だが右四つがっぷりに組むと勝てないことが多い。よって自身が右を差したとしても相手に上手を与えないことが大事である。また右四つよりも二本差した方が持ち味の上体の柔らかさを活かせる印象がある。この上体の柔らかさが一番の武器であり、相撲が長くなると持ち味を発揮する。ただ組み止められると持ち味が活きなくなるのである程度柔軟に動ける体勢であることがポイントである。

 幕内に上がると立ち合いの当たりが強くなり、幕内力士の圧力に対応できないのが幕内に定着できない理由である。ただ持っている能力は高く、私としては幕内上位に上がって欲しいと思っているのだが・・・。

続く