琴恵光引退に関して 師匠の紹介 その1

 師匠の佐渡ヶ嶽親方は元関脇琴ノ若である。山形県尾花沢市出身で佐渡ヶ嶽部屋所属だった。また身長191センチ、体重181キロであり、右四つ・寄り・上手投げを得意としていた。

 若い頃は大事な取組に弱く、出世も遅れがちだった。しかし琴錦の稽古台にされたことが幸いして力を付けた。1990年7月場所で新十両となると十両を2場所で通過し、同年11月場所で新入幕を果たした。その後1993年9月場所で新小結となった。しかし三役定着はできず、小結と平幕の往復が続いた。時が流れて1998年11月場所は小結で10勝を挙げ、翌1999年1月場所でようやく関脇に昇進した。また同期生の琴錦に番付で追いついた。

 しかし左膝の負傷で三役の座を明け渡すと三役に戻ることはなかった。それでも時折力のあるところを見せ、横綱や大関を倒していた。また地力とともに甘いマスクを伴っており、人気は衰えなかった。

 横綱候補とも言える体格をしていたが怪我に泣かされ、大関昇進はできなかった。それでも本人は「もう一回三役に」を目標に相撲を取り続けた。

続く