2024年5月場所を振り返って 優勝争い 初日~8日目

 そして初日を迎えたが、一横綱四大関が揃って敗れるという波乱の幕開けとなった。また初日に出場した5人以上の横綱・大関陣が総崩れするのは昭和以降で初めてとなった。2日目以降の上位陣の巻き返しが期待されたが、2日目に照ノ富士と貴景勝が休場し、早くも一横綱一大関が不在の事態となった。またこの日は豊昇龍が敗れ、連敗スタートとなった。

 カド番大関の霧島も星が上がらない。結果だけでなく自分の相撲が取れておらず、6日目まで1勝5敗と厳しい状況だった。そして7日目から休場し、再出場しなかったので大関陥落が決定した。大関在位6場所での陥落は昭和以降ワースト12位の早さとなった。また昇進から一年以内での陥落は、平成以降では5人目となった。

 それに加えて7日目は関脇若元春も右足親指を痛めたということで休場した。若元春は11日目から再出場したものの、一時は三役以上が5人休場し、出場しているのは4人のみという異例の状況となった。

 先場所新入幕優勝を果たした尊富士も初日から休場しており、優勝争いが全く分からなくなった。7日目に全勝だった宇良が敗れ、全勝がいなくなった。そして8日目終了時点で1敗が大の里と宝富士の2人であり、2敗で琴櫻や大栄翔など5人が追いかける展開となった。僅かながら大の里が有利なようにも見えた。しかしまだ入幕三場所目であり、役力士との対戦も残している。また他の力士が白星を並べる可能性もあり、様子を見なければ分からないといった具合になってきた。

続く