2024年3月場所を振り返って 優勝争い 13日目 貴景勝ー琴ノ若戦 豪ノ山ー豊昇龍戦

 琴ノ若は貴景勝戦が組まれた。相撲は琴ノ若が立ち合いからすぐに左上手を取り、つかまえたかに見えた。しかし貴景勝が右掬い投げでこらえると両者の動きが止まった。その後琴ノ若が強引に前に出たところを貴景勝が再度右掬い投げでこらえた。そして貴景勝が右をそのまま突きつける形で送り出した。琴ノ若はこれで4敗となり、優勝の可能性がなくなった。内容も左上手を取ったのはいいものの、上手の位置が深すぎる。結局脇が甘くなったところを貴景勝に差され、反撃を許した。私的には小兵力士が相手の時以外の琴ノ若の上手は信用していない。また貴景勝は埼玉栄高校の先輩でもあり、カド番だったので気遣いもあったのかもしれないが・・・。

 一方の貴景勝は勝ち越し、カド番を脱出した。しかし取組中に右の大胸筋付近を痛めており、勝ち名乗りを受ける時も右腕を振る仕草を見せた。そして引き揚げた支度部屋では苦悶の表情を浮かべ、勝ち越したにも関わらず取材にも応じなかった。結局14日目から休場となった。カド番を脱出したので来場所は休場するという選択肢はあるものの、大関維持に向けては厳しくなってきた感じがする。

 豊昇龍と豪ノ山の3敗同士の対戦は豪ノ山が立ち合いからぶちかまして一気に前に出たものの豊昇龍が右からの掬い投げで仕留めた。豊昇龍が3敗を守り、優勝争いに残った一方、豪ノ山は4敗となり、優勝争いから脱落した。豊昇龍は危なげのない勝利であり、大関として力の違いを見せた。一方豪ノ山は連勝がストップしたが、個人的にはもう少し見せ場を作って欲しかったと思っている。

 13日目終了時点で1敗が尊富士、そして3敗が豊昇龍と大の里の二人となった。星二つ差なので14日目に尊富士が勝てばその時点で優勝が決まる。また尊富士が負けたとしても3敗の二人が敗れれば尊富士の優勝である。そして尊富士の対戦相手が注目されたが朝乃山との取組が組まれた。

続く