2024年3月場所を振り返って 優勝争い 13日目以降の尊富士の対戦相手に関して

 さて尊富士が初黒星を喫したものの、新入幕力士の独走が審判部を動かした。13日目の取組編成会議がこの日の打ち出し、つまり全取組終了後に開かれる措置が取られた。通常は千秋楽の割に限り、14日目の打ち出し後に決定される。最近では去年の11月場所で14日目の割を13日目の打ち出し後に決めた例はあるが、12日目まで前倒しされるのは極めて異例のことである。

 焦点は尊富士の対戦相手である。先場所の大の里のように上位力士相手に連敗すれば再度平幕と当てればいいだけなのだが、尊富士は逆に星を伸ばした。また尊富士は二大関と対戦しており、本来なら他の二大関と当てればいいところである。しかし霧島は既に負け越しており、貴景勝は勝ち越しを前に足踏みしている。よって独走している対戦相手としてふさわしいとは言えない。調子の上がらない大関よりも尊富士に勝てそうな関脇以下の力士ということになる。私には審判部の悩みが手に取るように分かった。そして14日目の取組も13日目の全取組終了後に取組を編成した。尊富士の活躍が結果として審判部を振り回すこととなった。まさに異例の事態である。審判部も尊富士の終盤の対戦相手は優勝が懸かっているだけにかなり頭を悩ませたと思う。そして13日目の尊富士の対戦相手は若元春となった。また豊昇龍と豪ノ山の3敗同士の対戦が組まれたため、尊富士の優勝は14日目以降に持ち越しとなった。

続く