館内を盛り上げる男! 翠富士 来歴その2

 新十両の場所は負け越すも同年7月場所は勝ち越した。そして11月場所は10勝5敗同士の旭秀鵬との優勝決定戦を制して十両優勝を果たした。2021年1月場所で新入幕を果たすと9勝6敗と勝ち越し、自身初三賞となる技能賞を受賞した。また静岡県出身力士の三賞獲得は史上初となった。しかし場所後の2月の稽古中にヘルニアを発症した。それでも奇跡的に回復し、3月場所に出場したものの5勝10敗で負け越した。そして4月下旬にヘルニアが更に悪化したため5月場所は休場し、7月場所は十両に陥落した。その後は十両での土俵が続いたが2022年3月場所は東十両6枚目で12勝3敗の好成績を挙げ、5月場所で幕内に復帰した。

 復帰後は二場所連続で勝ち越すと9月場所は自己最高位を大幅に更新し、西前頭筆頭となった。勝ち越せば三役昇進が見えたが13日目に負け越しが決まった。それでも残り2日は勝ち、7勝8敗で踏み止まった。その後は上位力士と対戦できる番付に定着した。

 見せ場を作ったのが2023年3月場所である。西前頭5枚目だったが7日目終了時点で単独トップに立った。そして8日目は自身初となる中日勝ち越しを決めた。更に連勝を伸ばしたが11日目に初黒星を喫すると5連敗し、10勝5敗で場所を終えた。連敗の原因は役力士との対戦が続いたこともあるが、体が小さいのでスタミナが切れ、体が動かなくなったというのもある。その意味では仕方がない結果とも言える。また翌場所の三役昇進枠は一つしかなく、5月場所は西前頭筆頭止まりとなった。その後は三役昇進のチャンスはあるものの負け越すといった状況が続いている。

続く