2024年1月場所を振り返って 優勝争い 14日目 霧島ー琴ノ若戦 その2

 琴ノ若がこの相撲に勝った意味は非常に大きい。初優勝だけでなく、大関昇進に向けても非常に大きな12勝目となった。また大関に勝ったということで印象も良くなる。しかし結果としては霧島が見てくるような立ち合いをしたことで助けられた感じもする。冷静に見れば霧島がしっかり踏み込んだ中での相撲が観たかったという気持ちもある。それでも結果が求められる一番であり、この一番を制したことに意味があり、意義がある。

 一方の霧島は見ていくような立ち合いをしたことが全てである。体重は琴ノ若の方が重く、これでは圧力が伝わる訳がない。また体重は145キロで全体として見れば軽量力士であり、基本的には全力でぶつかることが求められる力士である。立ち合いで迷ったのかもしれないが、それを含めて精神面の成長が綱取りに向けては必要不可欠である。これで3敗となり、千秋楽に横綱戦は残しているものの、場所後の横綱昇進は厳しくなった。

 14日目終了時点で2敗は照ノ富士と琴ノ若の二人となり、3敗で霧島が追いかける展開となった。横綱が霧島と対戦することは分かっており、注目は琴ノ若の対戦相手である。対戦予定だった豊昇龍が休場し、役力士との対戦は終了しているので平幕力士が相手となる。予想としては朝乃山や錦木も考えられたが協会審判部は翔猿を対戦相手に指名した。過去の幕内での対戦成績は6勝6敗であり、直近1年の対戦成績も3勝3敗の五分である。ただ琴ノ若は立ち合いの馬力が格段に上がっており、その意味で落ち着いて相撲が取れれば琴ノ若が勝てると見ていた。琴ノ若サイドに立てば元大関で馬力のある朝乃山の方が嫌だったかもしれない。

続く