2024年1月場所を振り返って 優勝争い 9日目、10日目 琴ノ若ー大の里戦

 そして後半戦は9日目は休場した朝乃山を除く3人は1敗を守った。そして2敗力士は1敗の琴ノ若に敗れた大栄翔と王鵬が敗れ、3敗に後退した。9日目終了時点で1敗は琴ノ若、阿武咲、大の里の3人となり、2敗は照ノ富士、霧島、豊昇龍、朝乃山の4人となった。

 10日目は1敗同士というのもあるが、琴ノ若と大の里の取組となった。普通は新入幕力士が白星を重ねていても役力士と対戦することはほぼないと言っていい。しかし協会審判部が大の里のスケールと能力を買ったのだと思う。10日目という早い段階で役力士との割を組んだ。そして阿武咲とともに10日目から3日間は役力士との対戦となった。最近の審判部は考え方が柔軟になってきており、番付が下でも能力がある力士に関しては思い切って役力士にぶつける傾向がある。役力士も対戦することは想定しておらず、その意味では面白い相撲内容が期待できる。また若手有望の力士が早く強くなって欲しいという審判部の期待の表れかもしれない。

 さて注目の琴ノ若と大の里の一番は琴ノ若の完勝に終わった。大の里が立ち合いでモロ手突きを選択するも琴ノ若はそれを読んでおり、もろ手を下からすくい上げるように対処し、二本差した。そして慌てずに落ち着いて前に出ると最後は土俵下まで吹っ飛ばした。経験値の差がそのまま相撲に表れた感じである。また大の里本来の強い当たりができておらず、この部分は琴ノ若の迫力に負けたと言っていいかもしれない。また琴ノ若は大関昇進に向けて一歩前進した。一方大の里はいい経験をしたと思うので次に活かしたい。

 またもう一人の1敗の阿武咲は2敗の霧島に敗れ、2敗に後退した。10日目終了時点で1敗は琴ノ若一人となった。そして2敗で照ノ富士、霧島、豊昇龍、阿武咲、大の里の5人が追いかける展開となった。単独トップに立ったことで琴ノ若の初優勝の可能性が出てきた。

続く