元関脇・寺尾の死去に関して 弟子の阿炎との比較

 弟子の阿炎と比較されることも多いが、阿炎は身長は186センチで師匠と同じくらいだが体重は156キロあり、阿炎の方がスケールが大きく、上を目指せる体型をしている。

 相撲の取り口は似ているが、阿炎は突き・押しが得意とはいってものど輪押しからの引き技を得意としており、師匠よりも相撲が上手いというイメージがある。師匠は軽量であり、動きの中で勝機を見出すタイプだった。一方阿炎は体重があるので動き回る必要はなく、オーソドックスな相撲を取っている。

 性格に関しては師匠は寡黙なのに対して阿炎は基本的にはしゃべり好きでビッグマウスである。この部分は師匠よりも師匠の兄の逆鉾によく似ている。しかし不祥事以降はビッグマウスは影を潜め、取材にも落ち着いた口調で対応している。

 師匠が亡くなったということで阿炎にかかる期待は大きいが、目先の目標は三役復帰と三役定着である。まだ三役での二桁勝利は一度もなく、二桁勝利を挙げられれば大関が近づいてくる。肘の状態は気になるが、去年の11月場所は復活の兆しを見せており、前進を期待したい。そして一日一日元気に相撲を取ることが何より師匠への恩返しとなる。精神的にも大変だとは思うが、自分の相撲を取ることに集中したい。

続く