2023年11月場所個別評価 北の若
今場所は東前頭17枚目であり、新入幕だったが5勝10敗という成績に終わった。連勝スタートも5日目からは3連敗し、前半戦は4勝4敗で折り返した。そして後半戦は9日目から4連敗し、13日目に負け越しが決まった。
さて北の若の紹介をしたい。北の若は山形県酒田市出身で八角部屋所属であり、年齢は23歳である。身長191センチ、体重151キロの立派な体格をしており、突っ張り、右四つ、寄り、上手投げを得意としている。埼玉栄高校3年次には高校横綱となっており、高校卒業後は鳴り物入りで八角部屋に入門した。しかし入門から約4年半での新入幕は、本人が持っている素質と体格からすれば早いとは言えない。
内容に関しては前半戦は前に出る相撲で白星を挙げており、まずまずの相撲が取れていた。しかし後半戦は力の違いを見せつけられた。10日目の王鵬戦は立ち合いからすぐに左四つに組み合う形となり、北の若が有利に見えた。しかし右上手が伸びており、その右を離して巻き替えに行ったところを王鵬は右からおっつけて体を離し、北の若は突き離されて押し出された。11日目の佐田の海戦も左四つがっぷりに組み、北の若が有利な体勢を作った。しかし寄り立てるも寄り切れない。そして残されると逆に佐田の海に引き付けられ、最後は押し倒された。王鵬は突き押しが得意であり、佐田の海は北の若より体が一回り小さい。有利な体勢を作っておきながら勝ち切れないあたりは私的には非常に不満である。また八角部屋つながりで親交のある北の富士さんも同じ思いかもしれない。冷静に見れば前半戦は番付が近い力士との対戦であり、そこそこの相撲は取れたが後半戦は番付が上の力士との対戦となり、全く勝てなくなった。後半戦唯一の白星は十両の欧勝馬戦だった。
1月場所は西十両3枚目となった。当然巻き返しを期待したいものの、豪ノ山、北青鵬、熱海富士といった若手力士に後れを取っているのが現状である。また年齢の割には体重がさほど増えていないのも気になる。新十両から新入幕までは約2年かかっており、新入幕も星数的には少し恵まれての昇進だった点は否めない。背が高い上に手足が長く、生まれ持った才能は申し分ない。伸び悩み気味だが、今の状況を打破しての躍進が望まれる。
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