2023年11月場所を振り返って 優勝争い 13日目 割り崩しに関して

 さて私は後で知ったのだが、14日目の取組が13日目の打ち出し後に開かれた取組編成会議で決まった。これまでは千秋楽の取組のみが、14日目全取組終了後に決まっていたが、今回はそれを更に一日前倒しする格好となった。理由は平幕下位の熱海富士が優勝争いを演じているためである。結局熱海富士が13日目も勝ち、2敗で霧島と並んでトップに立っていたので14日目に両者が直接対決することが決まった。直接対決自体に異議はない。しかし14日目に大関と平幕下位の力士が対戦するということは割り崩しが行われるということである。

 割り崩しとは、通常上位力士とは当たらない平幕下位の力士が、終盤まで優勝争いに絡んできた場合には横綱・大関との取組を組み、本来組まれるはずの横綱対大関・大関同士・大関対関脇などの対戦を消滅させることがある。これを「割り崩し」という。割り崩しは平成まではあまり見られなかったが、令和になってからは頻繁に起こっている。今場所でいえば霧島ー豊昇龍戦、先場所でいえば霧島ー貴景勝戦の大関戦が消滅している。

 一番の問題は優勝争いを優先する代わりに大関戦という好カードがなくなることである。また今場所に限った事なら仕方ないのだが、最近は割り崩しが当たり前のように行われているのが問題である。あくまで私の予測だが、今後もこのような事は続くものと思われる。来場所に関しては番付を大きく下げる朝乃山の巻き返しや、新入幕が濃厚の大の里の躍進が予想される。

 元NHKの藤井康生アナウンサーが指摘していたみたいだが、もっと早く大関戦を組めばいいのではないかと言っていた。私もこの意見に賛成である。個人的には日曜日ということで8日目あたりに大関戦を組めばいいのではないかと思っている。そうすれば取組編成がより柔軟に対応できる。また大関以上が5人以上いる場合には中日での上位戦は珍しくなく、そういった感覚で上位戦を作って欲しいと考えているが、皆様はどうお考えでしょうか?。

続く