2023年11月場所を振り返って 始めに

 2023年11月場所は西大関霧島が13勝2敗という成績で4場所ぶり二度目の優勝を果たした。霧島は大関としては初めての優勝となった。また初の年間最多勝も達成した。そしてモンゴル出身力士としては100度目の制覇となった。同国勢の初優勝は2002年11月場所の大関朝青龍だった。21年での100回優勝であり、モンゴル勢の強さを象徴する数字である。横綱は勿論、豊昇龍もおり、下には有望な若手力士も控えているので今後もこの数字は更に伸びていきそうである。

 11月場所ということで一年納めの場所となったが今年は6場所全て三役以上が制し、6年ぶりに平幕力士の優勝がなかった。これは役力士がその役割を果たしているということであり、その意味では非常に喜ばしいことである。1月場所は琴勝峰、7月場所は北勝富士、そして9月場所と11月場所は熱海富士が千秋楽まで優勝争いに絡んだが役力士が平幕優勝を許さなかった。去年までとは違って霧島、豊昇龍、琴ノ若といった若手の役力士が力を付けてきており、少し前まで言われていた番付崩壊といった現象は解消されつつある。それでは優勝争いを振り返っていきたい。

続く