目指すは大関! 豪ノ山 最後に

 さて11月場所は千秋楽に勝ち越しを決めた。それ以上に収穫だったのは霧島、貴景勝の二大関を倒したことである。特に素晴らしかったのが貴景勝戦である。貴景勝の突き放しにも下からあてがいながら距離を詰め、貴景勝が左から突き落としに来たところを待ってましたと言わんばかりに右を差し、一気に寄り切った。これが豪ノ山の相撲である。お手本にしてほしいのが元大関出島の相撲である。出島は立ち合いから右を差しての一気の速攻相撲を得意としていた。確かに押し相撲と四つ相撲の違いはあるものの、相手との距離を詰めて一気に攻めるというスタイルは同じである。出島は身長180センチ、体重165キロということで豪ノ山を少しだけ大きくした感じだった。まだ色白というのも一緒である。動き回る相撲ではなく、相手を土俵の外に一気に運ぶ相撲を期待したい。個人的には一気に外に運ぶためなら差しても、前廻しを取っても構わないと思っている。

 今場所は7敗しており、平幕力士にも負けているがそれは全く気にする必要はない。今は上位力士に勝って自信を付けることが大切である。また今の相撲を取っていれば星勘定を気にせずとも三役には上がれる。豪ノ山には関脇・小結ではなく、その上を見据えて稽古をしてほしい。それだけの素質は持っており、あとは本人のやる気次第である。師匠も自分と同じ番付まで上がって欲しいはずなのでその期待に応えたいところだ。

終わり