2023年9月場所個別評価 照ノ富士

 今場所は全休した。休場は二場所連続、全休は三場所ぶりとなった。7月場所後は巡業は参加したものの、相撲を取る稽古ができない上に取組にも入れず、土俵入りだけを行っていたようだ。当初は巡業で腰の状態を見ながら調子を上げていく考えだったが腰の状態が上向かなかった。そして場所前の横綱審議委員会による稽古総見でも相撲は取れず、「腰椎椎体終板障害と糖尿病により、加療を要するため2023年10月8日まで休場を要する見込み」との診断書を提出して初日から休場した。また9月場所14日目にNHKの大相撲中継で師匠の伊勢ケ浜親方が解説を務めていたが、腰の状態が良くならなければ稽古ができない状態と語っていた。

 場所後は9月30日の隠岐の海の引退相撲に参加した際に「腰の骨が一部折れている」と明かした。その後10月3日に腰の治療を受けたようだが4日から始まる秋巡業は休場となった。本人は状態が上向けば巡業へ途中から参加する考えだったが、良くなったということで13日から巡業に合流した。長い針を使って炎症箇所の治療を受けたそうだが「多少は良くなった」と語っていた。ただ動かせば痛みがあるようであり、どれだけ良化するかが鍵を握りそうである。

 ということで来場所の出場は今のところは不透明である。仮に腰の状態が上向いても結果を残せるかという問題もある。本来なら治療に専念してほしいところだが、大相撲のシステムは本場所と巡業がワンセットであり、どちらも大事である。ただ巡業は長距離のバス移動があり、腰に負担がかかるのは目に見えている。また満身創痍の体に気持ちが持ちこたえられるかというのもある。できれば新横綱誕生と同時にバトンタッチしてほしいところだが・・・。ファンの一人としては温かい目で動向を見守りたい。