2023年9月場所を振り返って 優勝争い その7

 そして結びで貴景勝が土俵に上がった。相手は新大関豊昇龍である。しかし豊昇龍は昨日敗れて7敗となり、貴景勝に負ければ負け越しが決まり、カド番となる。両者にとって負けられない一番となった。

 相撲は貴景勝が頭からぶちかますも豊昇龍が右からかち上げ、逆に押し込んだ。しかし貴景勝が押し返し、前に出たところを土俵際で豊昇龍が右へ回り込むと同時に右上手を取り、上手投げで貴景勝を転がした。これで貴景勝は4敗となり、熱海富士が単独トップに立った。

 内容に関しては貴景勝は豊昇龍に押し込まれたのが全てである。反撃はしたものの、豊昇龍は押しながら逆転のタイミングを計っていた。この相撲に限らず、相撲は先に押し込んだ方が有利な流れになることが得てして多い。ということで内容的には必然の敗戦である。しかし優勝争いに関しては痛恨の一敗となったのは言うまでもない。

 4敗力士のうち、金峰山を除く三人が4敗を守った。ということで14日目終了時点で3敗は熱海富士一人、そして4敗が貴景勝、大栄翔、高安、北青鵬の四人となった。熱海富士が千秋楽に勝てば初優勝である。しかし負ければ4敗力士による優勝決定戦が濃厚となった。

続く