徳勝龍引退について 初めに

 日本相撲協会は9月12日、東幕下37枚目の徳勝龍が現役を引退し、年寄「千田川」を襲名することを発表した。今後は木瀬部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たることになる。近大から木瀬部屋に入門し、2009年1月場所の前相撲で初土俵を踏んだ。2011年11月場所で新十両、2013年7月場所が新入幕であり、そこまで4年を要するなど出世は早くはなかった。そして33歳だった2020年1月場所では、幕尻の西前頭17枚目で14勝1敗の好成績で初優勝を果たした。幕尻での優勝は2000年3月場所の貴闘力以来、史上2人目の快挙となった。またこの場所で獲得した殊勲賞と敢闘賞が最初で最後の三賞受賞ともなった。翌3月場所の西前頭2枚目が自己最高位となった。この場所は4勝11敗と大きく負け越したが、横綱鶴竜を破り、唯一の金星を挙げるとともに先場所優勝力士としての意地を見せた。相撲は突き押しに加えて左四つの相撲も取っていた。また体格の割に機動力があり、横への動きが速かった。技術を持っており、非常に器用だった印象がある。それでは徳勝龍の紹介をしたい。

続く