2023年5月場所を振り返って 優勝争い その1

 優勝争いだが、8日目終了時点では全勝が横綱照ノ富士、そして1敗で平幕の明生と朝乃山が追いかける展開となった。明生は今場所は東前頭6枚目に番付を下げており、上位力士との対戦がない位置であれば元関脇であり、白星を並べても不思議ではない。朝乃山は元大関であり、この成績は当然だが、8日目に北青鵬に敗れて初黒星となった。相撲は立ち合いで北青鵬に左に動かれて左上手を取られた。朝乃山も得意の右四つに組み、両廻しを引いて体勢を作ったかに見えた。そして朝乃山が寄って前に出たところを北青鵬が土俵際で右下手投げを打って朝乃山を転がした。朝乃山にとっては立ち合いで左上手を取られ、動きを止められたのも痛かったが、その後に右下手を引かれたのも痛かった。対戦は二度目であり、注文相撲を取られたので仕方がない面もあるが、それでも優勝に向けては中日での黒星は痛かったと言わざるを得ない。

 また2敗で大関貴景勝など8人が優勝争いを追走する形になったが、2敗の中に四関脇全員が入っているのが驚きである。四関脇は5日目終了時点では若元春が全勝、それ以外の3人は4勝1敗であり、関脇の充実ぶりが目立っていた。また横綱と並んで役力士として場所を引き締めていた。そして優勝争いだけでなく、大関に向けてという意味でも後半戦に向けて面白くなってきた。

続く