なぜ霧馬山は大関に上がれたのか? 今後に向けて

・今後に向けて

 私は照ノ富士が優勝一夜明け会見で霧馬山の大関昇進に関して語った「大関を維持するという思いでやれば落ちることしかない。逆にその上を目指してという思いでやってほしい」という言葉が全てだと思っている。確かに大関に昇進したが5月場所千秋楽は豊昇龍に負けており、三関脇との力量差が大きいとは言えない。更に小結には若手の琴ノ若、平幕には元大関朝乃山が控えており、先を見据えた場合、決して安泰と言える立場ではない。横綱の言う通り、現状に甘んじてしまえば御嶽海、正代のように大関から陥落しかねない立場でもある。そうならないためにはやはり自ら危機感を持ち、上を目指して稽古するしかない。

 あと私的に気になるのが素直さがあるが、主体性があまり見えてこない部分である。大関に上がったので師匠や鶴竜親方も看板力士として認める一方、むやみやたらに口をはさむことは少なくなると思う。ということでこれからは自ら考えながら稽古をすることが求められる。その点では横綱は結果を残しているだけでなく、あらゆることを考えながら稽古をしており、大関になったとはいえ、良い手本にしてほしいところだ。まだまだ相撲は未完成であり、その部分での伸びしろは残っているので楽しみである。

 今後は7月場所は三関脇が大関獲りであり、続々と大関が誕生することが予想される。そして大関が次々と誕生した後で存在感を発揮できるかどうかがこれからを大きく左右しそうである。今までの流れとしては師匠の指導の下で着実に力を付けてきているので、今の流れのままで稽古を続け、更に力を付けたい。大関になり、追う立場から追われる立場となるが、追われても横綱のように返り討ちするような相撲内容を私としては期待したい。

終わり